親の郵便物を転送したい|認知症・入院時に子が受け取る4つの方法
郵便局の転送サービスを使えば、入院先や入居施設など、本人が実際に住んでいる場所へ郵便物を転送できます。
一方で本人が住んでいない場所には転送されないため、親と別居している子どもが転送を受け、親の代わりに郵便物を管理する目的では使えません。
親の郵便物を転送したいときは、差出人ごとに送付先の変更を依頼する、成年後見人の回送嘱託制度を使う、郵便物管理サービスを使うなど、別の方法を検討しましょう。
本記事では、「認知症の親の郵便物を転送してほしい」「親の家に届く郵便物の転送はできる?」といった郵便物の悩みを抱えている人に向け、親や親族宛てに届く郵便物を受け取る方法を解説します。
ぜひ参考にしてください。
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親の郵便物を子どもが受け取る4つの方法
事情があって、別の住居に暮らしている親の郵便物を代わりに受け取りたいというケースもあるでしょう。
そんな時は、状況と手続きする人によって大きく4つの方法があります。
方法 |
郵便物が届く先 |
手続きする人 |
費用 |
期間 |
|---|---|---|---|---|
郵便局の転送サービス(転居届) |
親が実際に住む場所(入院先、老人ホームなど) |
本人または家族 |
無料 |
届出日から1年(再手続きで更新可) |
送付先の変更 |
差出人が認める住所(子どもの家など) |
本人または差出人が認める家族など |
原則無料 |
差出人ごとに異なる |
成年後見人の回送嘱託 |
成年後見人の住所、事務所 |
成年後見人(家庭裁判所に申し立て) |
収入印紙800円+郵便切手 |
6か月以内 |
郵便物管理サービス |
サービスの住所 |
契約者 |
月額料金 |
契約期間による |
このほか一時的な不在であれば、不在届を使って配達を止める方法もあります。
状況別のおすすめ方法
親が入院中であれば、郵便局の転送サービスが役立ちます。
年金や保険など重要な書類があるなら、送付先の変更もあわせて検討してください。
老人ホームに入居する場合は、基本的に郵便物の転送が可能です。
なかには入居者宛ての郵便物を受け付けていない施設もあるので、事前に確認しておくと安心でしょう。
詳しくは「老人ホームに郵便物を転送する方法」で解説しています。
また親が認知症で手続きが難しい場合は、成年後見人の回送嘱託と、介護保険などの送付先変更届を組み合わせると便利です。
実家が遠方、あるいは空き家になっている場合は、送付先の変更に加え、郵便物管理サービスを利用するのもおすすめです。
詳しくは「空き家の郵便物はどうする?」で解説しています。
【転送サービス】入院中・入居中の親へ郵便物を転送したい場合
郵便局の郵便転送サービスでは、郵便物等を受け取る方がお住まいでない所に転居届を提出することはできないとされているため、基本的に居住実態のない場所への転送は対象となっていません。
たとえば別の場所で暮らしている親の入院に際して、子どもの自宅に郵便物を転送することは対象外となります。
一方で、親の入院先の病院へ郵便物を転送したい場合には、郵便局へ転居届を提出することで郵便転送サービスを利用できます。
参考:入院中の親族に代わり転送を受けたい | 日本郵便株式会社
入院先の病院へ郵便物を転送する方法
親の入院先の病院へ郵便物を転送したい場合、以下のような申請方法で郵便局の転送サービスを利用することができます。
郵便局窓口で手続きする
ポスト投函で手続きする
e転居(Webサイト、郵便局アプリ)で手続きする
ポスト投函やe転居で手続きする際には、運転免許証やマイナンバーカードなど提出者の本人確認資料が必要です。
ただし郵便局窓口で手続きする際は、提出者の本人確認資料だけでなく、入院する親本人の本人確認資料(写しでも可)も持参してください。
本人に代わっての詳しい手続き方法については、「親族など本人以外の郵便物を転送するには?」で解説しています。
転送サービス利用時の注意点
転居届を書く際、「転居者」には親(受取人)の氏名を、「転居先」には入院先や入所先の住所を記します。
子どもの住所は転居先にできません。
転送期間は1年間であり、延長する際は再度手続きが必要となります。
起算日は転送開始希望日ではなく、届出日なので気を付けてください。
また届出から登録までに3〜7営業日かかるので、早めに転送手続きを行いましょう。
そして転居届を出していても、「転送不要」と書かれた郵便物は転送されません。
転送不要郵便は差出人に返送されるため、事前に差出人に連絡して送付先を変更する必要があります。
【送付先の変更】郵便物の送付先自体を変えたい場合
年金や介護保険の通知などは、差出人である年金機構や役所に届け出ることで、送付先を変えられます。
重要な書類は転送不要郵便として送付されることも多いため、確実に受け取りたいときはこの方法を優先しましょう。
ここでは2つのケースを例に挙げます。
ケース1)年金の通知書(日本年金機構)
親が施設に入所する場合など、住民票の住所とは別の場所に通知書の送付を希望する場合は、年金事務所か街角の年金相談センターに「年金受給権者 住所変更届」を提出します。
ただし住民票を移す場合、かつ日本年金機構にマイナンバーを登録している場合は、住所変更の届出が原則不要です。
なお成年後見人などが通知書の送付先を自分の住所に変える場合は、「成年後見人等用」と記された専用の申出書を利用してください。
保佐人、補助人、任意後見人は、代理行為目録に年金の手続きが含まれている場合のみ手続き可能です。
参考:年金を受けている方が年金の受取機関や住所を変更するとき|日本年金機構
ケース2)介護保険・後期高齢者医療の書類(市区町村)
介護保険被保険者証や保険料の通知は、原則として住民票の住所に届きます。
もし施設への入所や入院、認知症で郵便物の管理が難しいなどの理由で送付先を変えたいときは、市区町村に「送付先変更届」を提出してください。
変更届の様式や届出に必要な書類などは、自治体によって異なります。
たとえば北九州市の場合、家族や親族が届け出る際は、親(被保険者)と届出人の本人確認書類の写しが必要です。
また施設職員による代理届出を認める自治体もあれば、認めない自治体もあります。
詳しい情報は、必ず親が住む市区町村のホームページ等で確認しましょう。
【回送嘱託】高齢の親に代わって郵便物を受け取りたい場合
親が高齢となり、郵便物の管理が難しくなってしまった場合、ポストに郵便物が溜まってしまったり、必要な書類が無くなってしまったりといった問題が起こってしまうことがあります。
特に親が遠方にお住まいの場合は、定期的に通ってポストを確認するということも難しいですよね。
また、高齢の親が一人暮らしの場合、郵便物による振り込め詐欺などの特殊詐欺や窃盗などの危険もあるため、できれば目の届く範囲で管理したいという気持ちもあるのではないでしょうか。
ただし、このような場合も居住実態がない場所への郵便転送サービスは対象外です。
親が認知症の場合などは成年後見人の「回送嘱託」が使える
親が認知症などで判断能力を欠き、郵便物の管理や手続きが難しい場合は、成年後見人の「回送嘱託」が役立ちます。
回送嘱託とは、家庭裁判所の審判を得た場合に、成年後見人が親宛ての郵便物の配達を受けられるという制度です。
この制度は2016年に、被後見人の財産状況を正確に把握し、適切な財産管理を行うために設けられました。
郵便局の転送サービスとは異なり、以下のルールが設けられています。
申し立てられる人:成年後見人のみ(保佐人、補助人、任意後見人は不可)
期間:6か月以内(必要があれば再度申し立てが可能)
費用:収入印紙800円+郵便切手(切手額は裁判所ごとに異なる)
届いた郵便物の扱い:開封して中身の確認が可能(後見の事務に無関係な郵便物は、速やかに本人に渡す)
対象外のもの:ゆうパックなどの荷物
まだ成年後見人がいない場合は、先に家庭裁判所へ後見開始の申し立てを行ってください。
手続きの詳細は、親の住所地を管轄する家庭裁判所へ問い合わせが必要です。
参考:法務省:「成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」が平成28年10月13日に施行されました
2026年の民法改正について
2026年6月、成年後見制度を見直す改正民法が成立しました。
これは公布日(2026年6月24日)から2年6か月以内に施行予定で、施行後は「後見」「保佐」が廃止され「補助」に一元化されます。
施行までは上述した回送嘱託制度が使われますが、施行後の郵便物の扱いについては法務省の公表を待つ形となっています。
参考:「民法等の一部を改正する法律」(成年後見及び遺言の制度の見直し)について|法務省
【不在届】一時的な不在中に郵便物を止めたい場合
旅行などの一時的な不在は転送サービスの対象外ですが、不在届を提出することで、最長30日間にわたり郵便物を保管してもらえます。
保管した郵便物は、期間経過後にまとめて配達されます。
子どもが代わりに郵便物を受け取る制度ではないものの、一時的に郵便物の配達を止めることは可能です。
ただし家族の一部だけを対象にはできないため、指定した期間は家族全員分の配達が止まる点に注意してください。
不在届を提出する際には、本人確認書類を持参して郵便局にて手続きを行う必要があります。
また不在届の受付後には、「不在届受付確認票」が自宅に届きます。
不在届が提出されていても、その住居にご家族などどなたかの在宅が確認された場合には、通常通り郵便物は配達されます。
関連記事:30日以上の長期不在の際の郵便物の管理方法まとめ【保存版】
参考:長期間不在とする場合の郵便物等の配達について教えてください | 日本郵便株式会社
【郵便物管理サービス】親と自分の郵便物を分けて管理したい場合
企業の郵便物管理サービス・私設私書箱サービスなどを利用して、送付先住所をそちらに設定することで親と自分の郵便物を分けながら管理するという方法もあります。
こうしたサービスを利用すれば、自分宛ての郵便物は自宅で受け取り、親宛ての郵便物は私書箱サービスで受け取るなど、差出人によって送付先を変えることが可能。
郵便物管理の負担を大きく減らすことができます。
ご親族の郵便物管理をより楽に!おすすめの郵便管理サービス
ご親族の郵便物を代わりに管理したいという場合におすすめなのが、クラウド私書箱サービスのMailMateです。
MailMateでは、郵便物を代わりに受け取って管理してくれるだけではなく、郵便物が到着した際の通知や、オンライン上で書類を確認することのできるスキャンサービスも提供しています。
MailMateを利用すれば、自分の郵便物とご親族の郵便物が混ざってしまうこともなく、開封確認作業などに時間を取られてしまうこともありません。
場合によっては中身をスキャンしてすぐにご本人と共有することも可能なため、緊急性のある郵便物が届いた際にあわてて連絡する必要もなくなります。
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亡くなった親族の郵便物を代わりに受け取ることはできるの?
亡くなった親宛てに発送された郵便物は、差出人に返還されます。
またそれらの郵便物を転送して家族が代わりに受け取ることはできません。
ポストに郵便物が溜まると防犯上の不安もあるため、最寄りの郵便局に死亡の事実を伝え、その後の取扱いを確認しましょう。
なお正当な理由なく信書を開封した場合、刑法133条の「信書開封罪」に触れる恐れがあるので留意してください。
同居している親が亡くなった場合でも、開封してよいか判断に迷う郵便物は、差出人に確認するなどの注意を払いましょう。
参考:死亡した受取人あての郵便物等を家族に転送してもらえますか? | 日本郵便株式会社
年金や介護保険等の手続きも必要
親が亡くなった際は、年金や介護保険の手続きなども行わなければなりません。
たとえば以下の手続きが必要です。
死亡届:死亡の事実を知ってから7日以内に提出する
健康保険:国民健康保険資格確認書、後期高齢者医療資格確認書があれば返却する
介護保険:介護保険被保険者証、介護保険負担割合証などがあれば返却する
年金:未支給年金の受け取り、「年金受給権者死亡届」の提出(マイナンバーが収録されていれば原則として省略可)など
なおマイナンバーカードについては、自宅で裁断・破棄してよいとする自治体もありますが、番号が確認できなくなるため、ひととおりの手続きが終わってから破棄するとよいでしょう。
参考:亡くなった人のマイナンバーカードや通知カードはどうすればよいですか|板橋区公式ホームページ
よくある質問(FAQ)
最後に、親の郵便物の転送に関してよくある質問に回答します。
親が認知症で手続きできない場合、子どもが代わりに転居届を出せますか?
出せます。
郵便局窓口で手続きする場合は、提出者である子どもの本人確認資料に加えて、転居者である親の本人確認資料(写しでも可)を用意してください。
ただし転居先として指定できるのは、親が実際に住む病院や老人ホームなどに限られており、子どもの家は指定できません。
子どもが親に代わって郵便物を管理したいときは、送付先を変更するか、成年後見人の回送嘱託、あるいは郵便物管理サービスの利用を検討しましょう。
入院中の親の郵便物を病院へ転送できますか?
できます。
日本郵便は、入院中に病院へ郵便物を転送する場合に、転居届を出すよう案内しています。
転居届を書く際は、転居先に病院の住所を書いてください。
登録までに3~7営業日ほどかかるため、早めに手続きすると安心です。
病院によっては患者宛ての郵便物を受け付けていない可能性もあるので、事前に確認しておきましょう。
施設に入った親の郵便物を自分の家へ転送できますか?
できません。
郵便局の転送サービスで転送先として指定できるのは、本人が住む場所に限られます。
入居施設への転送は可能ですが、子どもの家で受け取る場合は、送付先の変更をするか郵便物管理サービスを利用しましょう。
転送期間の1年が過ぎたら更新できますか?
できます。
郵便物の転送期間は届出日から1年間なので、期間経過後も継続してサービスを利用する場合は、改めて転居届を提出してください。
ただし改めて提出する際も、親が転送先に住んでいることが前提です。
居住の事実確認が行われることもあります。
成年後見人になれば親の郵便物を受け取れますか?
成年後見人に選ばれただけでは、郵便物が自動で届くことはありません。
成年後見人が郵便物を受け取るには、家庭裁判所に回送嘱託を申し立て、審判を得る必要があります。
回送の期間は6か月以内であり、保佐人・補助人・任意後見人は申し立てできません。
介護保険や年金の通知を子ども宛てに送ってもらう方法はありますか?
市区町村に送付先変更届を提出すれば、介護保険や後期高齢者医療の書類を子どもの住所に送ってもらえる場合があります。
老人ホームなど住民票の住所と別の場所に住んでおり、年金の通知書の送付先をそちらに変えたいときは、「年金受給権者 住所変更届」を年金事務所に提出すれば送付先の変更が可能です。
成年後見人の場合は専用の申出書があるので、それを提出して送付先の変更を行います。
亡くなった親宛ての郵便物は止められますか?
受取人が亡くなった場合、その郵便物は差出人に返還されます。
郵便物を停止するには、郵便局に死亡の事実を伝えるとともに、差出人に連絡してください。
なお故人宛ての郵便物を家族へ転送することはできません。
親宛ての郵便物を子どもが開封しても問題ありませんか?
親の了承を得てから開けるのが安心です。
正当な理由なく信書を開封すると、刑法133条の信書開封罪に問われるおそれがあります。
ただ回送嘱託で郵便物を受け取った成年後見人は、開封して中身の確認が可能です。
親族の郵便物をWeb上で管理するなら、MailMate
以上、親宛ての郵便物を郵便転送サービスなどを利用して受け取る方法についてご紹介いたしました。
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